風流な遊び 認め合いつつ戦える余裕
"目の前に見える事象に対して、出来るだけたくさんの解釈や認識を試みてみる"
昨日の「くだらない遊び」を、そんな感じできれいにまとめてみたら『源氏物語』を思い出しました。
『絵合わせ』で古今東西あらゆるところから絵を取り寄せたり描かせたりして、二手に分かれてどんなところが優れているか、競い合う。最後には光源氏が、都を離れ須磨で描いた絵が、その場全員の胸を打ち、光源氏方の勝利になる場面。
光源氏が家族や女性たちを、各人の雰囲気に合った四季折々の特徴を感じられるお屋敷へ住まわせるのだけど、彼らがそれぞれの季節の素晴らしさについて語る、という場面も思い出されます。
どちらの場面も、それぞれの好みや気分で「私はこっちがいいと思うのよね」みたいに好き勝手主張している感じが、平和で風流だなぁ…と
こちらも「いとをかし」な気分になります。
「勝ち負け」や「優れている点」という視点が出てくるけど、その言葉のニュアンスは、現代で使われているものとは違う印象があります。
どちらも素敵だという前提の中で
”こちらの方がこういう特徴があって、より私の気持ちを動かすんですよ。素晴らしいでしょ?”
というプレゼンをしているような。
「こちらの方が ”優れている” !」
と大騒ぎで主張していても
もう片方は ”否定するべき” とか ”改善するべき” とは思っていないような。
そして認め合っていることをお互いに理解し合っているような。
やっぱり、芸術も、人も、何もかも、全ては結局、みんなちがってみんないい。
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